金融機関に勤めるものにとっては、「貸すも親切、貸さぬも親切」という言葉は知らない人はないと思います。

信用金庫の父と呼ばれた元全国信用金庫協会会長の小原 鐵五郎(おばら てつごろう)氏の有名な言葉です。

「銀行は利息を得るためにお金を貸すが、我々組合(信用金庫)は、先様のところへ行ってお役に立つようにといってお金を貸す。たとえ担保が十分であり、高い利息を得られたとしても、投機のための資金など先様にとって不健全なお金は貸さない。貸したお金が先様のお役に立ち、感謝されて返ってくるような、生きたお金を貸さなければならない。」と述べ、これを「貸すも親切、貸さぬも親切」と要約しました。

企業にむやみに融資をして、ただ延命させるのが仕事ではなく、その企業で働く人たちが復活可能な段階を見極めて、融資を謝絶するのも大切なこと・・・ということなのでしょう。でも、これは想像以上に難しいことです。

私も若いころに、上司からこの言葉を教えていただき、いろいろな経験をさせていただきました。

融資をお断りして、結果的に事業主さんから「あの時よく断って頂いた・・・もしも融資を受けていたら大変なことになっていた・・・」と感謝いただいたことが何度もあります。しかし、20数年前、これ以上は・・・とお断りした後、一週間ほどして新聞に自殺報道があったときは、さすがに、これはショックが大きく後々まで引きづりましたね。